大木が育つほどの時を超えて
1月最後となる本日午前、とある電話を受け取りました。
「お子様たちのためにランドセルを寄付させていただきたいのです。」
そんな切り出しから、お気持ちを示してくださった方でした。電話に出た事務員がさらに更に伺いますと、その方のお祖母様は当園の卒園生ということでした。
午後、早速その方はお母様と来園され、ランドセルを五つとノートをご寄贈くださいました。
姉妹で入所されておられたというお祖母様は、調べたところ約70年前に在籍していたお方でした。
聴けば小百合園にいた当時はピアノを弾いたり、素敵な洋服が着られたりした等のよい思い出が沢山あったことを娘さんにお話しされていたそうです。お祖母様は80歳を越え、既にお亡くなりになられたそうで、園に残る古いアルバムから当時の写真を見ていただくことは叶いませんでした。
なんでも、お祖母様は生前、当園の側を車で通る際に当時の記憶を思い出して笑顔を見せておられたそうです。宮城県沖地震の被害で別の建物になってしまった施設に、かつての建物と子ども達、シスター方の姿を重ねておられたのでしょうか。
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電話をくださった方(お孫さん)は、現在、学校教員をなさっておられるとのこと。
そのこともあってのランドセル、ノートという形でご支援をくださったのでしょうか。
苗木が大木に育つほどの、この長い長い年月を繋いできた想いとご縁、その尊さに感謝の念が一層深まります。
そして、私は襟を正される気もいたします。
なぜなら、今向き合っている子ども達に対する我々の思い、言葉、振る舞い。それら一つ一つが将来にずっと繋がっていき、今が未来への分岐点となっている自覚と責任を強く感じるからです。
本日ご来園くださいましたM様、そのお気持ちに改めまして感謝を申し上げます。
ありがとうございました。